アーティスト図鑑

LIPHLICH 新井崇之のこと

新井崇之【あらいたかゆき】
リフリッチのギタリスト。
ヤンキー・ロック・こんにゃくの国群馬に生まれ、その地域特性をすべて請け負う形で育った規格外の柔軟性&順応力の持ち主。

理想主義にして完璧主義者でもある厄介者 久我新悟を泥酔させる抜群のギターテクニックと「どこかでスーツアクターでもやってたの?」と経歴を問いたくなるステージ上での見事な身のこなし&コミカルなパフォーマンスが特徴。
身体をシーの字に曲げた重力無視の超ハイジャンプや、腰を低く落とした状態で繰り出す目にも止まらぬ高速スピンはたなびく衣装のフォルム込みで美しい。

プロ司会者顔負けのトークスキルとタイムマネジメント力はもはやバンドマンのソレではなく、ちょっと普通じゃないメンバーたちの特性を熟知し、多くの番組やイベントにおける進行の手助けをさりげなくこなす様は正に「思いやり」と「気遣い」の象徴。
音楽に関わるすべての活動に対し一切の妥協を許さず、プロモーションを含むあらゆる仕事を心から楽しもうとする意識がその場にいる人々を笑顔にする…と、これじゃあ人間性のことだけで解説を終えてしまう気がしてならないので、彼の天文学的な優しさの質量についてはここらで割愛させてもらう。

エックスジャパンの名ギタリスト ヒデをこよなく愛し、聞くところによるとピエロも好んでいるという話だが、プレイスタイルやフレージング・手掛けた楽曲たちからその影響を強く感じることがない。
これは、表層的な成りではなく、「替えの利かないオリジナリティーに貪欲な精神」を双方から吸収しているものかと思われる。

何台買い替えてもアイフォンの画面を割る運命の星の下に生まれながら、その不遇さえ物ともしない前向きさは天性のもの。
そんな熱血男塾的な彼から生まれる繊細ノスタルジーの美旋律はリフリッチだけなく、このヴィジュアルシーンに大きな軌跡を遺すことだろう。

用例:「ハードロック・ヘビメタファンが叫ぶ”アーライ!”の語源が━の先祖って話、本当らしいよ」