POP制作

R指定『毒廻る』

わたしたちは、この毒に 二度 救われる。

「指定女子」と呼ばれる乙女たちには、ある素敵な習性が存在する。
それは、溺愛してやまないR指定の作品を引き取りにくる際、その多くがバンド名だけでなく、丁寧に作品名まで店員に告げることだ。
些細なことではあるが、これに我々は毎度胸をうたれていたりする。
その姿から、この『毒廻る』という言葉が発表から今日に至るまでの間、いかに彼女たちの心を高揚させてきたか、そして、そのタイトルに込められた想いや歴史、五人の並外れた作品づくりへの拘りをどれだけの純度で受け取めようとしているかを痛いくらいに感じさせられるのだ。

話題性によろけて「ちょっと味見してみようかしら」と立ち止まったそこの指定女子未遂なお嬢様。親切心から先手をうって御忠告。
悪いことは言わないので、初回盤収録の映像を目にする前に一生分のカレーを食べておいて。
もう、言ったからね。

「表面的なグロテスク」は人の脳に三日と生存していられないことを知っている賢いあなたには、六年に渡り人々の記憶に絡まりつづけた『毒盛る』という惨劇がいかに××であったかをお察しいただけるだろう。

二〇一七冬。傷の治りの悪いこの季節にさらなるひとさじ。どくまわる。
この容赦なき悲劇の継ぎ足しこそがまさしくエグみの極み。
そして、やんごとなきマモみなのである。