わたくしごと

さよならau

「まだやってなかったの!?」

渋谷区宇田川町4丁目方面から、そんな声が聞こえてきそう。
以前勤めていた会社で、私がおよそ5年に渡って呟き続けていた「格安SIMに変えてみようかなぁ…」というセリフ。
このブログやTwitter・Instagramなどなど。各種SNSを結構頻繁に更新している身なので、皆様に疑われてしまう恐れもありますが、私は日常生活において携帯をいじる時間が極端に短い人間です。
そんな私なので、携帯そのものに愛着というものがまるでなく、機械が故障するたびに「もう持たなくていいかな?」と真剣に考えるのですが、大人になった今現実的にそうもいかず、「なんでこんなに高いのよ…昔は0円だったじゃん…」と不満たっぷりに大嫌いな「ローン払い」を駆使して新スマホを手にしてきました。

4年に一度のペースで故障するスマホ君を看取りながら、私は都度思うのです。
「私に必要な機能や性能なんて、君に入ってる1割にも満たないんだ」と。
キラキラした目で新機種の優れている点を説明してくださる店員さんのスマイルを前に「いらない。その機能いらない。そんなに綺麗じゃなくていい。それ使わない。いらない。それもいらない!!」と脳が内出血を起こすレベルで嘆く癖も直りません(もちろん口には出さない)。
そして、一通りの商品説明を聞き終えた後、とどめの如く脳裏に浮かぶセリフがこれです。

「丸亀製麺方式にしてよ」

電話とメールとカメラとネット通信。
私が携帯電話に求めているのは、これだけです。
何千万画素のなんちゃらとかなんとか決済とかなんとかリングとか必要ない。でもね、勝手についてくるのよ。ぞろぞろと。ドラクエのパーティーみたいに。
欲しくもない高機能高性能を盛りに盛られてからの「はい9万円ちょ~らい」という要求。so理不尽!
私はかけうどんとかしわてんが食べたいだけで、丼ぶりにのりきらない程の過剰なトッピングなんて求めていないのに、のるだけのせられて何十倍もの請求をされることに怒りを飛び越えた悲しみを感じるわけです。

そんななか、世を席捲している「格安SIM」というのは実に画期的で、毎朝通勤で渋谷センター街のmineoショップ前を通るたびに「安くていいなぁ」と思い続けていました。
そして、今日。携帯のことなんて何も考えてもいなかった朝方に何故か「あ!格安SIMにしよ!」と思い立ち、あらゆる比較なんかをしつつ、5時間程ですべての手続きを済ませました。

機器と番号はそのまま引き継ぎたかったので、ナンバーポータビリなんとかティーとやらの手続きを電話でする必要があるのですが、auのお兄さんがこれまた「どうにかして移行の意志を揺るがせてみせる!」感漂う熱血お兄で、「ほぼタダ同然の条件で最新機種と交換させてくださいまし!」と、情に脆めな私にせっついてくるのです。
しかし、3年前に発売された今の機種ですらハイパーミラクルオーバースペックコンニャロメだった私にとってその提案は逆効果だったため、丁寧に言葉を選びながらお断りしました。
彼から聞いて驚いたのですが、私がauを契約した日から約19年もの月日が経過していたようです。
そりゃあ彼からすれば「今までの19年間は何だったのよ!」と言いたくもなるわけだ。受付が女性だったら、ex.恋人との別れを思い出して移行を取りやめていたかもしれないわ。

19年。
考えてみると、凄まじい年月です。

私が初めて携帯電話を手に入れたのは中学3年生のときでした。
今では小学生ですら当たり前の様に所持している携帯ですが、当時の与野市立東中学校において最も早く携帯を手にしたのは自分だったと記憶しています。そのくらい、中学生にとっては珍しいものだったのです。
今と変わらず、メカに一切の興味を持たなかった私が何故そんなにも早く携帯を手にしたのか。この先のお話は、昭和末期に生を受けたあなたにしか響かないことでしょう。それでも話す。

私が携帯電話を手に入れた西暦2000年。
私の輝かしき学生時代のほぼすべてを奪ったと言っても過言ではない「PIERROT」というバンドがその年、西武ドームでワンマンライヴを行いました。
ヴィジュアル系バンドがドーム公演なんてのは、CDが売れまくっていた当時でも稀有中の稀有なことで、ファンのみならずシーン全体がその報せにどよめいたものです。
その公演を記念して、「IDO」という会社(後に合併してKDDIになる)がPIERROTとコラボをし、「ピエロ携帯」なるものを抽選販売していました。
私は何の気なしにそのチラシを見ながら、当時はPIERROTにまつわるものなら何でも欲しかったので、恐る恐る母千代子に相談をしてみることに。

「携帯電話欲しいんだけど」

すると、母は予想通り「何に使うの?」と鬼の形相で尋ねてきます。
しかし、その後家族で会話をしている内に「個人で使うというより、家族兼用の移動式電話として使う分には便利かもしれないね」という考えに至り、最終的には割とすんなり申し込みをOKしてくれました。
応募を終えてから、灼熱中の灼熱下にある真夏の西武ドームでのライヴを楽しむ。
熱さと暑さのダブルパンチにより、ヘドバンをしながらバタバタと人が倒れていくアリーナの地獄絵図は、19年経った今でも海馬から離れようとしません。

そんな歴史的ライヴから長ーーーく日を開けたある日のこと、我が家に小包が届きます。
中身を確認してみると、そこには応募していたことさえ忘れかけていた奇術的機器が。PIERROTの赤い目玉ロゴが入ったピエロ携帯のお出ましです。
細かな契約などは母が進めてくれていた様でしたが、その経緯を知らなかった私からすれば「すごい!当たった!」と胸の内で大騒ぎ。
電話機能と文字数制限のやけにきついメール機能に加えて、スーパー簡素な占いゲームが入っていたなぁ(毎朝やってた)。

「あの日から19年か」

当時のいろいろな出来事を思い浮かべながら、「ちょっと寂しいな」という気持ちになっている自分に気付きました。
スマホそのものには愛着などありませんが、あの頃から今までずっと続いていたauライフそのものには結構な愛着があった様です。
失ってから気付くなんて、男ってほんと馬鹿ね。
感傷ついでにもうひとつ、PIERROTちゃん関連で当選したものを自慢させて。

※西武ドーム公演で使用されたAGITATORフラッグ

格安SIMについていろいろと調べてみると、デメリットも多く書かれていましたが、私にとってはそのどれもが「全然問題ない」の連続で、毎月の請求自体も5,000円以上安くなるので、「もうちょっと早くやっとけば良かった」と後悔後悔。
この「もうちょっと早くやっとけば良かった」を私は人生で200回経験する予定です。ちなみに今回ので70th。先は長い。

今となってはかなり普及しているシステムなので不要説も否めませんが、格安SIMの使用感なんかもその内さらっとご報告できたらと考えています。
まぁ現代人らしからぬ非非非スマホ依存の私が言うことなんて、何の参考にもならないかと思いますがね。

あ、そうそう。今日の最後にこれを見てください。


つい先日も触れたファミリーマートの一部店舗で開催中のすみっコ一番くじ。
追加で3枚買ったら、欲しかったものが一気に当たりました!
何店舗か回っても欲しいものが既に終了となっていることが多かったのですが、さいたま市北区のファミリーマート日進町南店は景品がまだたくさん残っていたので、さいたま市民にはオススメです。どえらいローカル。ついてきな。

というわけで、本日もお疲れ様でした。
良い週末をお過ごしください。