わたくしごと

姉妹とlynch.

「行動力のあるダメ男はモテる」

これは、かつて私がumbrella『キネマトグラフ』のレビュー記事を書かせていただいた際、文中へ放り込んだ一節です。
記事にも記載の通り、これは私の友人(というか仲の良いex.同僚)が私と恋の話をしていたときに放ったセリフでした。
「女性を一人に絞れない恋多きダメ男の優柔不断な姿」を描写した『軽薄ナヒト』(『キネマトグラフ』収録)という楽曲を紹介する上で、私がどうしても入れたくて差し込んだこの言葉には、あれから何年も経った今尚「なかなかの真理だぞ、のんちゃん(彼女のあだ名)」と唸る次第です。

遥か昔のことになりますが、彼女と私は同じCDショップで働いていました。
渋谷にある非常に取り扱いジャンルの偏った愉快なお店です。
私たちが働いていた店名まではお話出来ないのが残念でなりませんが。

思考が女性っぽい私に対し、彼女は男性っぽい思考の持ち主でしたが、何故か二人には妙な共通点がありました。
それは、「人に嫌悪感を覚えるポイントが異常にマッチしている」という点です。
なもので、「そのまま音声を公開しても面白がって聴いてくれる人がいるんじゃないかなぁ」と思うくらいの歪んだ恋バナ(古)をよくしていたものです。

彼女はお菓子好きであれば知らない者など6000%存在しない超有名企業に勤めた後、ひーふひんふ(発音によるモザイク処理)へアルバイトとして入社しました。
フルタイム出勤をしながら家では猛勉強を続け、見事難関資格を取得した彼女は、ひーるりんふをズバッと退社!その後、「行動力のあるダメ男」なんて称号とは全く無縁な素敵ボーイと結婚し、今では一児の母としてとても幸せそうに暮らしています。
「さすが”じーふりんふの本田翼”の異名はダテじゃないわ」と、その可愛らしい顔立ちと輝く未来に一同が嫉妬したものです。

先日、このサイトで実に庶民感漂う「長男とのBUCK-TICK物語」を綴ったブログを公開しました。
一昨日あたりから尋常じゃない量のアクセスがあり、「なにかあったのかな?」と現在進行形で謎は深まっているのですが、あの文章を書いていたとき「そういえば、兄弟(姉妹)でヴィジュアル系が好きっていう意味では、あの子も同じだなぁ」と、彼女姉妹のことを思い出していました。
彼女から聞いていた姉妹のあれこれを一通り思い返した後、私はLINEを開き「あのこと、ブログに書いてもいい?」と尋ねてみることに。
すると、あっさりOKをもらえたので、今日はちょっとだけ彼女姉妹にまつわる小噺を。先に言っておくと、結構夢があるわよ(‘;’)

彼女には姉がいました。それも姉妹揃って濃厚なSHADOWS。「人体どこやった?」と尋ねたくなる程の強烈な影姉妹です(ちなみに「SHADOWS」というのは、ヴィジュアル系ロックバンド「lynch.」のFC名)。

幼い頃から二人とも「絵を描くこと・漫画を読むことが大好きだった」とあって、妹である彼女がときどき描いて見せてくれる絵はどれも秀逸で、動きのないあざらししか描けない私にとって、それは大分羨ましい特技でした。
その昔彼女が描いたlynch.のPOPは今でも私のお気に入りで、かなりの年月が過ぎた今でも携帯の中に写真を残している程です。なんかちょっとジョジョっぽいこれね。

『GALLOWS』出てからもう5年経つの…

その他にも数々の毒々しい似顔絵や癖のあるイラストを披露してくれたものですが、あくまでも「趣味」として楽しんでいた彼女とは違い、彼女のお姉さんは本職を持ちながら本気で「漫画家」を目指している方でした。
漫画家への道のりは非常に険しく、その努力と挫折の過程を耳にする度「とんでもない世界だなぁ」と震えたものです。

ほぼ毎日の様に顔を合わせる彼女(妹)とは、恋、恋、愚痴、姉、恋、恋、愚痴、母、愛犬のペース配分で連日会話を楽しんでいました。
そんなある日、彼女から「姉の漫画が入選して、月刊誌での連載が決まったんですよ」と、衝撃の報。
その淡々とした発表ぶりは「さすが姉妹」と言ったところです。私と兄であったら、もっと興奮していたに違いありません。
その後、彼女はじーふりんふを退社し、私からは手の届かない神の領域で仕事を始めるわけですが、その後もちょこちょこ連絡を取り合う日々が続きました。

それからしばらくしたある日。
仕事の休憩時間になにげなくTwitterを触っていると、トレンドワードに「新月9 錦戸主演」の文字を発見しました。
ドラマなんてまともに見たのは「若葉のころ」(太古の作品)くらいなものですし、「錦戸」の文字を見て真っ先に頭に浮かんだのが「錦野旦」の顔だった私にとって、それはビッグニュースには成り得ない情報でした。
しかし、その下に表示された「詳細情報」に妙な既視感を覚えたのです。

 

2019年1月7日(月)スタート
「トレース~科捜研の男~」

 

ぞっとする私。
あれ…「トレース」ってもしかして…
確信にも近い感情を抱えたまま、ササッと検索窓を開きます。
そして、こんな文字を入力するのです。

「月9 トレース 原作者」

すると、そこにはかつて聞いていた、お姉さんのペンネームがドンッ!!
びっくりした私は即座に「これってお姉さんの漫画じゃない?」とLINEを送信!すると、「そうなんですよー」とこれまた超淡白な返信が。姉妹ってそういうもんなの?ねぇ!

かくして、ドラマはスタートするのでした。
元科学捜査官であるお姉さんの知見をフルに活かした不穏なサスペンス劇「トレース~科捜研の男~」。
この作品がlynch.の念を宿した女性によって構築されたものであるとは知らず、「うわぁ!見てたよコレ!」と驚かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ドラマ化の影響というのは、私たちが胸ときめかせる「タイアップ」の比にならないもの。
ショッピングモールの本屋さんを横切る際、入口付近に堂々と山積みで展開されたお姉さんの漫画を何度となく目にする様になりました。
余談ではありますが、漫画のなかに現れる「沢口ノンナ」という女の子の顔が妹によく似ていて、「意識しなくても、近しい人の顔に似ちゃうもんなのかな」と、姉妹の妙を感じたものです。

というわけで、今回は「意外なところにもヴィジュアル系ファンはいるぞな」というお話をしてみました。
ドラマは3月で終わってしまいましたが、漫画はまだまだ続いておりますので、ご興味を持たれた漫画好き様たちは是非チェックしてみてください。

人が努力の末に夢を叶える姿というのは、何度目にしても美しいものです。
lynch.がいつか叶えてくれるであろう武道館公演の光景なんて、想像しただけで身震いします。行きたいなぁ。

そして、この記事のおしまいにもうひとつ入れ知恵を。
表紙に刻まれた作者のペンネーム「古賀慶」。
このペンネームに「ん?」となり、「にやっ」とされた方はなかなかに勘が宜しい様で。
とはいえ、ここではみなまで語りません。
彼女がこの「古賀」という名をどこから取ったのか。
その答えは、lynch.ファンのみぞ知る…はず…