わたくしごと

メンセツやろうぜ!

7月A日出勤時
「なんだか雨が降りそうな空だなぁ。まぁ通勤の一時間くらいは雲ちゃんが持ち堪えてくれるだろう」

渋谷駅到着。
どうにもならないくらいに雨ザアザア。

7月B日退勤時
「あ、会社に傘忘れて来ちゃった。でもまぁ一時間くらいは雲ちゃ(以下同文)」

最寄駅到着。
どうにもならないくらいに雨ザアザア。

その都度、客の足元を凝視する様な値付けでペラペラの傘を売ってくださるコンビニ様に感謝しながら、哀ザアザアな梅雨に翻弄される昨今、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

そうそう。酷く今更なお話になってしまいますが、ご報告とお礼をば。

この通り、おかげさまで再就職が決まりました。妊婦風に言うと、今2ヶ月目です。

仕事のスピード感や常時飛び交う横文字たちに唖然としながら、なんとか担当業務にしがみつく日々。
新しい環境に身を置くというのはなかなかに疲れるものですが、とにもかくにも豚の角煮も「これがホワイト企業というやつか…」と、あらゆる面でそう実感させてくれる素敵な会社なので、一日も早くお役に立てる様になりたいと願うばかりです。

はじめてのあいてぃーきぎょう

採用枠の狭まりまくっているコロナ真っ只中の時世において、未経験の業種・職種への移行がこんなにもスムーズに進むというのはなかなかに珍しいことみたいです。
それも学歴・職歴・知識・技能・容姿・年齢の全てに難しかない私のことともなれば、その奇跡っぷりたるや文字通りの「摩訶不思議」。

その渦中にありながら身の程を弁えない愚かな私は、面接前に大した事前準備もせず、企業の情報もざっとサイトを流し見するくらいなもので、当日に話すことなど何一つ固めていませんでした。

職業訓練校の修了式を間近に控えたある日、運良くトントン拍子で選考が進んでいく私に、同じクラスの若い娘(ミュージカル好き)が「志望動機って、なんて答えてるんですか?」と尋ねてきました。
「そのときに思ったことを話してる。なにも浮かばなかったら、そもそも志望なんてしてなかったんだなって気付くから、その瞬間にもう諦めちゃうなぁ」と返したところ、「なにも参考にならない…」と落胆されてしまう始末。
でも、それが本音なんだから仕方ねぇ。

「インパクト勝負って感じ?」とか、「そういうキャラ濃い系の戦術は私には無理…」ってなことを散々言われましたが、私はいわゆる正攻法ってやつを「やらない」のではなくて「できない」だけなので、「これぞ面接突破の掟!」とされる手法を現場で実践できる人間の方が余程優秀だと思っています。

見ず知らずの他人と会話をするのは割と好きなので、面接は「なんとなく気になる者同士が仲良くなれるかどうかを見定めるための機会」くらいにしか思っておらず、どの企業の選考にも異常なまでにラフな気持ちで向かっていました。
企業の担当者様たちは、そんな私を更に上回るフランクさで、こちらの話にもよく笑ってくださり、面接中にも関わらず「こういうところが良い」とお褒めの言葉を頂戴することも多く、「あぁこれがWEB系企業というものか」と、私が二十代の頃に受けてきた企業とのギャップにただただ驚くばかりでした。

そんな愉快な受け答えのなかでも、私が特に好きだった質問がありました。
それは、あらゆる面接テクニック本にも書かれているであろう、割とありがちな「あの質問」。

「短所は何ですか?」

これです。
私は変態でこそありませんが、この質問に答える時間が大好きでした。
現にこのブログなんて、自身の弱さと短所について書いているものばかりですしね。

箇条書きテイストで嬉々として短所をバンバン並べていく私を前に「ちょっとちょっと!そんなにあげていただかなくても大丈夫です!」と笑いながら待ったをかける面接官も数名おり、その度「とりあえず思い浮かぶものはすべて言わせてください」と、まるでお経の如く短所を連ねていくのが快感でなりませんでした。

あちらこちらで語られる面接対策のひとつとして、こんなものがあります。
「短所と長所は表裏一体なものがいい」。
でもね、私は思うのよ。「相手は短所を聞いているんだぞ」と。

「私は頑張りすぎちゃうんです。寝ずに仕事に没頭しちゃったりなんかして。でも、そのせいで体を壊すこともあって。そこが短所ですね」

あぁ胡散臭い。そして、とても卑しいナ。
私が捻くれているだけなのかもしれないが、そんな不幸に見せかけた自慢みたいな話、聞きたくもないよ。だって、相手が欲しているのは君の短所なのだから!
という考えから、私はやんごとなき「短所でしかないこと」しか話さないと決めていました。

質問をされた瞬間に思いついた短所をザザザッと10個程並べ、「このなかでご興味をもたれたものがございましたらおっしゃってください。それについてたっぷりお話します」と言うと、面接官も所狭しと並べられた短所で曇りまくりなショーケースをまじまじと見つめ、「これはうちの業務でちょっと問題あるかもな」と思うものをひとつふたつ手に取り、レジ台に置いていきます。

「さぁお会計の時間だよ!」

脳内でそう叫んだ後、私は手渡された短所にまつわるエピソードを切々と語るのです。
どういうわけか、どの面接においても、この時間に向けられる面接官の眼差しが最も澄んでいる様に感じられました。
なかにはアンコールとばかりに「じゃあこれとこれも聞かせてください」と追加購入をしてくださる方もいて、短所のコーナーだけで30分近く話していたこともあったり。

そんな偏屈な時間を散々過ごしたあとに用意された「それでは、長所はどうですか?」という質問を「これといってないですね」と一刀両断する瞬間の爽快感は並じゃなく、そのときばかりは決まって面接官の方々も大笑いされていました。

13社のうちの過半数が購入された人気の短所(妙な日本語)。
それは、「女々しい」と「闘争心のなさ」の2つでした。
不思議なもので、人というのはそれが例え自分自身のことであっても、口に出してみて初めて気付くことが多くあります。
現にあちこちでこの2つの短所について話しているうちに、私はある気付きを得たのです。

「あれあれ?もしかして、この2つって繋がっているんじゃないか?」

まさかまさかの短所と短所の表裏一体。
二乗しても長所にはなりやがらない「短所の進化系」との邂逅に思わず私は、「あ!これ、繋がってますね!」と、柄にもなくテンションが急上昇するのでした。
せっかくなので、まずはそのひとつひとつについて書いてみましょう。

女々しい

これは、私が35年もの間、雨にも風にも負けず丹精に育てあげてきたTHE KING OF TANSHOのひとつです。

過去にもお話しましたが、私は「結果良ければすべてよし男くん」ではないので、例えば自分が何か新しいことを始めたときに「そんなの上手くいくわけないじゃん」やら「それって、やる意味ある?」といった類の言葉を投げつけてきた人間を一生許しません。

そんな彼・彼女らは、後にそれが実を結んだときに決まって「最初から面白いと思ってたよ!」だとか「あの頃はぶつかったけど、今となっては良い思い出だよね!」などと抜かすわけですが、私は器がおちょこなので、「いいえ。そんな易々と美談になんてさせません」と、これ以上ない拒絶を披露します。

町を歩いていると、ときどき木の根がアスファルトを持ち上げている光景を目にしますよね。
私の根&執念深さもあんな感じです。あぁやだやだ。

闘争心のなさ

「他人から見た自分」というものをまるで気にしない私。
人様に認められなくても、自分が成功だと思ったらそれは成功で、逆に人様が褒めてくれても、自分が駄目だと思ったらそれは単なる失敗です。

そんな奴なので、外からの攻撃にはビクともしない精神(言ってみれば鈍感)を誇るのですが、その反面内側は死ぬほど脆かったりします。
更に、己に向ける攻撃力の高さだけは国宝級なので、自身を猛烈に責めるだけのただただ虚しく苦しい時間に悶えることが頻繁にあります。
インスタのストーリーを見てくださっている方々はご存知かと思いますが、先月生まれて初めて心療内科へ行き、悲惨な宣告を受けてしまいました。
まぁこの話は遠い未来にでも有料noteにして販売したいので、そのときは買ってくださいね!強気価格の1,000円で売るよ!ビニ傘代にさせてよ!

話がそれてしまった。失礼。
ともかく「他所は他所。うちはうち」の精神で生きてきてしまった私は、デキる男が共通して抱える「なにくそ精神」とやらを欠片も持ち合わせていないのです。

売れっ子バンドマンや著名な芸術家、人気のお笑い芸人。
数々の成功者はインタビューやMCなどで、しばしばこんなフレーズを口にします。

「当時は周りからも反対され馬鹿にされて、なにくそ!って思ってた。でも、成功した今にして思うと、あのときの気持ちが今の自分を作ってくれたと思うから、あいつらには感謝してるよ」

まじ大人!大統領!ミケランジェロ!って、心からそう思うね。
何故ならって聞かれるまでもなく、私がその真逆だから。
そして思うの。彼らの抱える「怒り」は可燃性なんだと。

私のそれは違う。
湿った葉っぱみたいな性質で、火を近付けてもまるで燃えず、燃料になり得ない。
喜怒哀楽でいうところの「怒」と「哀」が大きな「負」という(びっしょびしょの)毛布に包まれているような感覚というか、少なくとも私のなかでその2つはほぼ同一の性質を持つものなのです。悲しけりゃ、ただ悲しいだけというね。

だから、その後にいかなる成果が表れたとしても、当時の彼らに「ありがとう」なんてこれっぽっちも思えないし、何度でも「あのときの嫌な気持ち」を鮮明に思い返しては、「ゆゆゆ許せねぇ…」と震えてしまう。
あぁこの愚かさをなんと言えばいいのか……あ…めめしさ……め、めめしさか!女々しさだ!繋がった!闘争心のなさと!!女々しさ!!!

というね。気付きの感動が大爆発した面接デイがあったのよ。
結局そこの企業は落ちちゃったんだけど、あのひらめきのキラめきと虚しさったらなかったね。

というわけで、本日は私の短所シリーズ1006話「闘争心と女々しさ」についてお話してみました。
得体の知れないITワード&ワークに大大大困惑する日々なので、みなさまの生活を案じている余裕などまったくない現状ではございますが、もう少し落ち着いた頃にでも改めてその身を案じさせてくださいまし。

ではでは、人知れず7月10日で35歳になった私は、星の数より3つ多い短所たちを抱いて眠ります。
ここまでのお付き合いに感謝するわ。また近々更新しますね。おやすみなさい。