わたくしごと

それコンタン

こんにてゃ。
6回に1回のペースでやっちゃうタイプミスを犯してしまいました。
自戒の念を込めて、ここに残すとします。

 

「なんか最近ブログばっかり書いてない?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
これには結構大きな理由があるのですが、あまり長く隠しておくようなことでもないので、早速明かしちゃいますね。

気分です。

 

さて、世にも麗しき土曜日に何を話すかといいますと、今日は「魂胆」についてです。
誰もが当然の様に知っている言葉ではありますが、なかなか口に出す機会はない単語ですよね。

私はあんまり好きじゃないんですよ。このコンタンってやつが。
語感は木琴の音色みたいで可愛いんですけど、どうにもその性格がねぇ…

 

魂胆。
あまり口にする機会はないと言いましたが、「でたでた魂胆が」と失笑する場面は割かしあったります。
魂胆の多くは何かしらの皮を被った状態で繰り出されるもの。
魂胆を魂胆のまま出したら、それはもう魂胆じゃないですからね。

まずは、そんな魂胆を包む皮のなかで最も使用頻度の高い銘柄をご紹介しましょう。
魂胆業界トップシェアを誇るその皮の名はズバリ「質問」です。

遮光性に優れた厚さ故、回答する側が気付かないまま受け流してしまうことも多いのですが、私はいやしい人間なので、穴が空くまでそいつを凝視します。
そして、それがダウトと踏んだ瞬間、無防備な回答者に向けて「おい、騙されるな!それ、魂胆だぞ!」と叫ぶ叫ぶ。
ただ、無念にもこの声は届かないんですね。
アーティスト図鑑の動画を観てもらえれば分かると思うのですが、まぁ通らない声質だもんで。

この「質問の皮を被った魂胆」の何が厄介かって、あまりにも型が世に定着しすぎていて、受ける側はおろか、発する側さえもそれがコンタンであると自覚していないケースがままあること。

まどろっこしいので例を出しましょう。
あなたは、アーティストの配信やラジオ、SNSでの質問募集コーナーなんかで、こんなクエスチョンを聞いた覚えがないでしょうか?

 

「私は〇〇なのですが、ライヴに行ってもいいでしょうか?」

 

この手の問いです。
○○の部分には、「若くないのですが」「そんなに詳しくないのですが」といった委縮系の言葉が入ります。

私は、これを魂胆と見なします。
何故って、欲しい回答も返されるであろう回答も分かり切っているから。

この質問に対して、「迷惑なので若くないなら来ないでください」なんて返す人など、余程の悪魔でない限り存在しないでしょう。
「年齢なんて気にしないで会いに来てください。待ってます!」回答はほぼこれです。
それは本心に違いありませんし、そんなことを気にする演者がいるとは到底思えません。
なんせ彼らはプロの「観られる側」に立つ人間ですから。

「おのれ魂胆かァ!」と刀を振る私ではありますが、質問者本人にとってはおそらく切実な問題なのでしょう。
若者がそういった厭味を言っているのを聞いてしまったのかもしれませんし、テレビでコメンテーターが他人の趣味を笑っている姿を見たのかもしれません。
しかし、そういった恐怖心の多くは「今の年齢にしちゃ痛い」という勝手な判断によって自らの心を縛っているその手から生み出されるものです。
「周りはあなたのことなんて見ていない」「そんなこと気にしなくて良い」という言葉をあらゆる場面で何千回耳にしていたって、演者本人からの後押しがなければ踏み込めない世界があるというなら、なんて悲しい世界だと胸が痛みます。

いや、でも魂胆だろうなあれは(ふりだしにもどる)。

 

「女の相談なんて、ただ話を聞いてもらいたいだけで、自分のなかじゃ既に答えは決まってんのよ」
これは、2元号前から代々言い伝えられてきた名句。
しかし、実際に私が女性から受ける相談はというと、そこには留まらなそうなものも多くあり、あまり人に優しいアドバイスができない私の意見を真正面から受け止めてくれる人ばかりです。
もっとも、相談をしてくる友人らは「ただ愚痴に付き合わされること」に対して私が寛容でないことを知っている、というのもあるのでしょうけど。

「うんうん、それは大変だね。でもさ、ちょっと頑張りすぎじゃない?いろいろあるだろうけど、自分の人生なんだから後悔ないように焦らずゆっくり考えたら良いと思うよ。応援してる。なにかあったらすぐ連絡して。話ならいつでも聞くからさ」

言えないね。私は。
人生666周しても無理。
「親身」というシェア11位の薄皮を突き破る「下心」が見え見えで虫唾がシャトルランしてるわ。
そういうのは『seed』のAメロだけで十分。

 

「”聞いてほしいだけ”に留まらない」とは言ったものの、女性の場合、年齢(時期)の絡んだ相談が多いというのも事実です。
個人の趣味にはじまり、親の介護、転職、恋人、結婚などなど、今を生きながらにして常に人生を逆算しているハイパーマルチタスクガールたちを前にすると、「その処理能力があれば、悩みも自己解決できそうなもんなのになぁ」とつい思ってしまうのですが、どうやらそれとこれとは別みたい。

女性は、男で言う「金」と同等か、もしくはそれ以上に「時間」という数字に敏感なのかもしれません。
まぁ私個人としては「世間全体の年齢の捉え方がちょっと偏り過ぎじゃない?」とも思うんですけどね。
この前なんて、「とても32歳には見えない美貌!」なんつって女優さんがテレビで讃えられていたんですけど、ちょいとお待ちよと。32歳って、そもそもが若いでしょと。
何の疑いもなく絶賛しているコメンテーターの笑顔を見たときに「こわっ」と思いながら、「なるほど。こういう世の中だから、ああいう質問をする人が出てくるんだなぁ。魂胆なんて言ってごめんね」と猛省したものです。

いや、でも魂胆だろうなあれは(れきしはくりかえす)。

 

それに比べて男ときたら、そこんところはハチャメチャに鈍感!
その好例について書いたことがあったので、もし暇を持て余している様でしたら後で読んでみてください。

 

見誤るな時代感!私がよく行く大宮の喫茶店。 外観からは予想もつかない程に広く、あちらこちらにお洒落で大きなテーブル・ソファが並ぶ。 店内BGMには、...

 

とやかく言う私も、生きてきた年数と対峙して落ち込むことなんてまずありません。
むしろあまりに無自覚なため、あらゆる書類で生年月日の隣にある(満 歳)という空欄へ「36」と記入する度に「え?36?もう36なの?」とびっくりするくらいです。
それはそれは親戚のおじさんが妹の息子と久々に再会したときに言う「大きくなったなぁ~つい最近までランドセルしょってたのに!」のテンション。
「想像していた○○歳よりも遥かに子供だな」と何度思ったことか。
きっとこれには多くの男性が共感してくれることでしょう。

まぁ男はその分「見栄」に絡む数字に敏感なんですけどね。
他人からは見えない数字や実績を盛りまくる奴なんかはその典型(収入・年商・ブログのPV数・YouTubeの登録者数など)。
「すごい反響で!」とか「たくさんのメッセージが!」とか、大体嘘です。
「大好評につき期間延長!!」も大抵噓でしょ?それと同じよ。まったくくだらないわ。

 

はて、主眼をどこに置き忘れたってくらいに話が反れてしまいましたが、そうそう、魂胆の話でしたね。
先程の質問版に続いて、分かりやすい例がもうひとつあります。
今度は逆にアーティスト(作り手)からファンへ向けた質問面魂胆。
Twitterアンケートなんかで、こういうクエスチョンを見たことがあるでしょう。

 

「これこれこういうものを作ろう(やろう)と思うんだけど、もし実現したら嬉しい?」

 

おぉぉうおう、これねぇ~~~魂胆としか言いようがねぇねぇ~~~極めぇ~~~

 

さっきとまるでおんなじ。
言われたいことも、言われるであろうことも計算済み。
この質問に意味などない。何故なら、これは質問じゃないからだ。奴の名はそう!コンタンッ!!コンタンといっしょ!!(CV:千秋)

だって、あなたをフォローしている(Twitterを見ている)のはファン、及び、熱心でなくともあなたに好意を抱いている人よ。
そりゃ集まるのは「喜びます~」のポチッでしょ。
なんだこれは。「茶番」じゃ足りん。その一個下の日本語を教えておくれよノンタン。

でもね、さすがにここまでくるとちょっと可愛いなとも……思わないな。
人生6666周しても無理。さっきよりも重罪だ。
私が好きにオリジナル罪を作れるような神なら、公然魂胆罪で現行犯逮捕するわ。
そして、2年間のSNS禁止を命ずる。これはきついはずよ。

 

というわけで、今日は「虎の威を借る狐」ならぬ「疑の威を借る魂胆」にまつわるお話にお付き合いいただきました。

分かる、わかるよ。
「お前なにからなにまで細か過ぎんだろ」ってのはごもっとも。
でも、思っちゃうんだからしょうがない。
そうやって笑って許してくださる心優しきあなたにだけ言わせてもらうわ。

「よい週末を!」