わたくしごと

ダンボールと送料

やぁやぁ日本のみなさまこんにちは。埼玉の私です。
見てくださいこの記事タイトル。無骨にもほどがある。
DEZERTでいう『神経と重力』みたいな感じですね。
名曲には「○○の△△」という形式のタイトルが多いと言われていますが、私はどちらかというと「○○と△△」の方に好きな曲が多いです。
パッと浮かぶものだとそうですね、えーっと……神経と…重力…とか…

相も変わらず、ネットショップ開店に向けて色々とやっているのですが、一人作業の極みあざらしで気持ちのやり場がどこにもないので、今日は配送にまつわる話をあなたに聞いていただきたく野中拓。

唐突ではございますが、先日生まれて初めてダンボール工場へ行ってまいりました。
何故って、欲しいタイプのダンボールがどうしても見つからなかったから。
もちろんダンボールの用途は商品発送時に使うものです。
それはもう検索検索に次ぐ検索をして、自分の作る商品に合ったものを探してみたのですが、先日お話したネットショップのプラットフォーム(システムみたいなもの)やバーチャルオフィス同様、ダンボールの製造会社も一長一短。
「うわぁ惜しい!この型・サイズで、あの会社の厚み、そしてあっちの会社の材質をミックスさせた商品があったらなぁ」と、ないものねだりを一ヶ月程続けた結果、「もう作ってもらうしかない!」と腹を括ったわけです。

一日で千葉の3工場をぐるぐる。
直接の相談を受け入れてくださる企業なだけあって、どの工場の方もとても親切で感動しきりでした。
やっぱり自社の製品にこだわっている作り手の熱というのは、なにより声色と提案力に表れるものなんだなぁと改めて痛感。
「手掛けているものがなにか」など関係なく、このあたりは物を作っている人に共通して流れている血なのでしょう。

相談とはいっても、「こういうものがこの日までにこの数ほしい」という明確な希望が既にあったので、それを提示してみて、色々な答えをいただくといった流れでした。
紙ももちろんですが、知れば知るほどダンボールも奥が深く、あらゆるサンプルを片手に夢中になって話を聞いてしまいました。
後半なんかはもう完全に「何に使うかは忘れたが、俺はとにかく良質なダンボールを求めて千葉へやってきた」という想いで国道6号線を疾走していましたね。BGMはChantyでした。

 

私が発送に使う便は「クリックポスト」という日本郵便のポスト便。
一行に「便」という漢字を3度も使う機会などそうそうないと思うので、ここぞとばかりにもう一度言わせてもらおう。
私が発送に使う便は「クリックポスト」という日本郵便のポスト便です。

このクリックポストというのは、定形外郵便のなかの比較的新しめなサービスで、A4をちょっと超えるくらいのサイズで厚さ3cm以下、重さ1kg以内であれば全国一律198円で発送が可能という非常にハッピーな手法。
近いサービスでいうと、同じ日本郵便が提供している「レターパックライト」があるのですが、あちらは送料が370円です。
同じ補償なしで、同じ追跡可能で、同じポスト投函で、同じ全国一律料金で、サイズもほとんど変わらないのに何故170円もの差があるかというと、レターパックの方は梱包用の厚紙封筒代込みの価格で、ササッと住所を書いてそのままポストに投函でき、重量がクリックポストの3倍にあたる3kgまでOKで、更に到着日がクリックポストよりも1~2日程早いんですね。

なにかとメリットの多い発送方法ではあるのですが、これまた私のくだらないこだわりとして、どうしてもあの厚紙封筒がチープというか、風情がないというか、なにより「中身が折れちゃいそう」という不安が先行して、結構早い段階で「これはなし」と決めていました。
とはいえ、個人のECサイトを数百店ほど回ってみても利用されている方が非常に多いので、認知度含めて安定感は抜群なのでしょう。
送料は内装袋代・手間賃込みで500円~700円程とっているところが多く見受けられました。

さて、一方のクリックポストはいかがなものか。
こちらは手軽さでいうとレターパックに大分劣ります。
諸々の契約手続きや引き落としの際の承認が必要なこと(屋号と口座の名義が異なると尚面倒)、梱包資材・ラベルシールを自分で用意しなければならないこと、自宅のプリンターで送り状を印刷しなければならないことなどなど、マイナスポイントがちょこちょこ存在します。
ただ、私はそのあたりの作業をあまり面倒だと思わない、というより一件一件丁寧に進められるので、その手間はむしろメリットだったりします。
ここでいう「手間」の部分が受取人にかかるものであればNoですが、どれもこれも差出人にかかるものなので全くもって問題なしです。
梱包資材、ラベル代、細かく言えばインクも消費するのでそのあたりを加味して、個人のお店では350円~500円くらいの送料で設定されていることが多い印象でした。
なかには1000円を超える超強気な設定のショップもいくつかありましたが、多くはバンドやアイドルの事務所が運営しているオンラインショップだったので、「ここでしか買えないものなら、ここで買うしかないもんなぁ。アーティストって、つぇぇ~」とのけぞったものです。

一時期、Twitterの検索履歴が「クリックポスト ぼったくり」「レターパック ぼったくり」に支配されていましたが、どのくらいの料金で不親切さを感じるのかを探るにはとても良い手段だったと思います。
にしたって1000円は取りすぎよ。

 

適切な送料を探る。
これは、CD屋さん時代も同じでした。
「アイム聖人。自分のことなどどうでもいい。お客さんのためにお客さんのために!」という想いだけで利益を削ってしまうのは一見美しくとも実際のところ結構馬鹿な行為です。
特に今の私は「次に思いついた楽しいことを実現するための予算」を得るためにショップを作っているので、そのあたりはシビアに考えなくてはなりません。
欲しいものなどスタバのホワイトモカ生涯無料券くらいしかない私にとって、「お金のためのお金」なんて普段の仕事で稼げばいいだけの話なのです。

運営規模に関わらず、送料問題ってのはどうにも深刻。
楽天がAmazonに対抗すべく、自社のモールで出店してくれている加盟店に「3980円以上の注文はすべて送料無料にせよ。無論、その費用は君ら持ちで」と命じ、有名ブランドや大手のショップがドワッと楽天モールから撤退した事件も記憶に新しく、手数料でいうとZOZOなんかでも似たようなことが起きていました。
人間は慣れると習慣化してそれが当たり前の基準になるので、「は?送料取るの?じゃあAmazonいくわ」となる行動心理は当然中の当然。
その代償がお店の担当者や運送会社に恐ろしい勢いで降りかかっていることなど、ニュースにまったく無関心な方にも容易に想像がつくはずです。
でも、安い方から買う。何故なら安いから。そういうサービスがある以上、それを利用する方を責める権利など誰にもありません。
なによりその多くは企業努力によるサービスに他ならないのですから。

繰り返し伝えておりますが、私は送料を一律400円に設定します。
誰かが無料で一元管理&発送作業とアフターケアをしてくれて、送料以外になにも掛からないのであれば、送るだけで一件当たり202円の儲けです。
利益率50%だなんてマァ素敵で最高ですが、実際はそうもいきません。

ダンボール工場の方と価格交渉をするときにも「一度目は500枚ください。予算はこれが限度です」と予めお伝えしました。
500枚というと個人のネットショップではまぁまぁな枚数ですが、普段大手の物流会社に卸している工場からすればテントウムシみたいなもの。
「値切る」というより、「値段はそれで良いので、こうしていただけないか」という提案を受け入れてもらうための時間をいただきました。
まぁ結果的にそれは値切り行為となんら変わらないんですけどね。ものはいいよう!

人間も会社も製品も一長一短。
割と諦めが悪く、人に送るものに関しては大変神経質な私ですが、可能な妥協点を探りながらようやく着地点を見付け、先週の終わりに正式な依頼をしてきました。
とてもシンプルな箱ですが、個人的にはとても満足しています。

工場からの去り際、おそるおそる担当者の方に「ちなみになんですけど、こういう絵柄を箱にプリントしていただきたいとなった場合はおいくらになりますか?」とスマホの画像をお見せして尋ねてみたところ、「どっひゃぁ~むり~~~」という見積額が飛んできたので、「送料を変えずにその費用を捻出できるくらいにはなりたいものだわ」と、図らずも新たな目標が生まれたりなんかして。いやー高かったなー。

 

「個人情報を扱んだから、シュレッダーは必須だろ」と、帰り道に私が、いや、埼玉県民全員が大好きな超大型文具スーパー「事務キチ」に寄り、ジャキジャキに刻んでくれそうなシュレッダーとテープカッターを購入。

テーマソングが頭から離れない

これにて発送に必要な備品は一通り揃ったので、あとは入稿している品々が無事手元に届いてくれるのを待つばかりです。
WEBで展開するものと違ってやり直しがきかないので、印刷物の入稿は本当に心臓に悪いんですよね。うまくいってるといいなぁ。

初期投資が予想以上にかさんでしまいましたが、その半分くらいは例のくだらぬこだわりズによるものなので誰にも文句は言えません。
おそらくお手元に届いたときに「無駄なことしすぎだろ」と笑われる様な仕様になっているので、もしなにかしらご購入される機会がございましたら、それとなく楽しんでいただけると嬉しいです。
自分のものを売るだけではなく、その他の施策も無限に用意しているので、あとはひたすら各所に頭を下げまくってそれを形にしていくだけです。
とはいえ、生きるためにはメインの仕事もじゃんじゃんこなさなければならないので、多くの時間は割けないんですけどね。それは人類みな同じ。まぁなんとかします。

というわけで、今日はダンボールと送料にまつわるお話にお付き合いいただきました。
マルチタスクが鬼苦手なもので、動画作りが大分滞ってしまい情けないったらないわ。
商品をひたすらPP袋に詰めながら資材についてひたすらお喋りする「開封動画」ならぬ「梱包動画」を作ったら、みなさん観てくれますかね。
って、紙とか袋とか印刷とかダンボールとかPPの素材トークなんて誰も興味ないか~それよりなによりお前自身に興味がないって話よね~かなしみ~~。

以上、とうとう花粉症デビューしたかもしれない私からの与太話エピソードツーでした。
引き続き、良い日曜日をお過ごしください。