わたくしごと

ほめられたい

カーエアコンはどうしてああも丁度いい温度にならないのか。
暑くも寒くもないが決して快適ではない「6月」という名の魔物に悩まされる日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、おかげさまでライティングのお仕事をちょこちょこいただく様になり、日々それなりにそれなりな生活を送っております。
まだまだ「これだけで生活できるレベル」までは程遠いですが、それでもやはり「私に依頼したが運の尽き。妙に盛り立てて差し上げますぞー」という気持ちを抱えながらお仕事が出来るのは幸せなことです。
人の為じゃないと燃えないですからね。なにごとも。

お仕事のご依頼は多岐に渡ります。
例えば、イベントやライヴレポひとつ取っても「一週間あげるから、目一杯強烈なレポ書いて!文字数はこのくらいが基準だけど超えてもOKよ!」というものから、「終演後5時間以内に原稿ちょうだい!文字数は絶対越えちゃメッ!」なものまで。
そして、現時点でのご依頼に関して言えば、「君の感じを出してほしい」という有難い提案をいただくことが多いのですが、そう言われると逆に「わたしらしさってなに?」と思考が迷宮入りしてしまうのも事実です。
自分の性格にはもう33年も連れ添っているので、総じて「しょうもない男」という理解はあるのですが、「作るもの」に関してはこれまで何かを狙って脚色したり演じたりといった小細工を施してこなかったので、「君らしさ」=「いつも通り」という認識で望むしかなさそうです。

一方、そんな私とは違い、世の皆々様は「自分の持ち味・業務上発揮される長所」をお持ちなのが実に羨ましい!
もちろん私の様に「自分のなにが良いの?」と、ぼんやりラビリンスに顔パスで入られている方も中にはおられるでしょうが、私が今までに出逢ってきた方々の大多数は「人から〇〇(長所)って言われる」「〇〇は人より自信あるかも」といった様なことを仰っていて、その都度「いいなぁいいなぁ」と足をジタバタさせたものです。

私は人のことをよく褒めます。というか、そう言われます。「よく褒めるよね」と。
しかし、褒められることはほとんどありません。というと、こう言われます。「褒めても否定するじゃん」とね。
私の基準はあくまでも私。生態系ピラミッドでいうところの「ミカヅキモ」的存在である私にとっては、その他多くの人々があまりにも大きく立派なのです。
よって、目についた長所ひとつひとつを思うがままに口にしていれば、「よく褒める奴」の称号をゲットすることなど容易いもんよ。
ただ、私は聖人じゃないので、人を褒めた後に心のなかでこう思っているんだけどね。

「次はそっちから褒めてよ」

しかし、褒められてホクホクな連中は、笑顔の練習をしているときのハレハレくんみたいな表情で目の前からスタスタと離れていってしまう。
その後姿を見るたびに「さては貴様、後出しでも年賀状を返さない系女子だな」と強く唇を噛むのです。
どうやったって求めちまうのよ見返りを~私だって褒められたいのよ~(‘;’)!!

というわけで、「6月は身も心も快温にゃならねぇ」というお話でした。
あとそうだ。これはちょっと個人的に見過ごせないニュースだから触れさせて。
迷子御用達のV系専門店 渋谷ZEAL LINKが6月30日(日)をもって営業を終了されるとの報。
思うことは数えきれない程多くありますが、私はもうアウトオブジールな人間なので、胸に秘めた無数の思いたちをこの一言に集約します。

 

「悲しい!」

 

過去、私が作成した多くの文字だらけ巨大POPたちもまだ展示してくれていると思いますので、もし6月中にお近くを通られる様なことがございましたら、是非お立ち寄りください。
こういうのね↓

長い間ご愛顧いただいたお客様には心より感謝御礼申し上げます。
私が言うのもなんですが、今に繋がる感謝の気持ちとしてどうしてもお伝えしたかったので、今回ばかりはお許しを。

そして、褒めただ褒められないだの話をしていて一つ思い出したことがあります。
それは、いつだったかにとあるヴォーカリストさんと少しお話をする機会があった日のこと。
彼のバンドはその時点で既に解散をしていたのですが、私は(というか多くのファンが)彼の歌をヴィジュアル系シーンの宝だと思っていたので、いかにその歌声が歌唱が詩が素晴らしいかをお伝えしたところ、彼は笑顔で「そう言ってもらえて嬉しいです。バンドやってた甲斐あったなって思います」と言いました。
結局そのときはそれで会話が終わり、「それではさようなら」となったのですが、私は帰りの埼京線で一人悪態づいていたのです。なんなら、あれから何年も経つ今ですら時々思い返しては脳内でこう毒づきます。

「なにがそう言ってもらえて嬉しいだ!こっちは全然嬉しくないぞ!もう一回バンドやってよおおおお」

つくづく勝手な奴だと思いながらも、やっぱり願ってしまうのは「またあの歌声にステージで再会したい」ということです。
今日は、私が心臓を抉り取られるほどに焦がれた素敵なバンドの楽曲を流して、お開きとさせていただくわ。
どんな形であっても、また新しい唄が聴ける日を待ってますよ。ナオキさん!