わたくしごと

食品サンプルを作ろう〜メロンフロートの変〜

帰りの埼京線に揺られながら、「ヒトのヒトによる記憶ってのはいつだって当時の印象を固定表示している様な形式だなぁ」とぼんやり考えていました。

例えば、中学時代の先輩が15歳の頃の風体で突然目の前に現れたとしても私は敬語を使うだろうし、高校時代の長男よりも今の自分の方がずっと年下に思える。そんな感じです。

どう考えても今の自分の方が圧倒的に大人で、目の前に当時の二人がいたら「うわっ、超こどもじゃん!」と思うんだろうけど、そうは思いながらも「ち、ちっす」って言っちゃうんだろう。
この現象に名前を付けてほしいんだけど、それ以前にこんな話にゃ誰も共感してくれないだろうから、今日は食品サンプルの話でもしようと思うんだ(シリメツ)。

 

元祖食品サンプル屋の理 

説明するまでもございませんが、「食品サンプル」とは飲食店の店先に展示してあるメニューの見本です。
昔は業務用しかなかったみたいですが、最近では工作キットのひとつとして市販されています。

先日ソラマチへ出掛けた際にふらり立ち寄った「元祖食品サンプル屋」という専門店で、よもやトキメキ炸裂。うっかり購入してしまいました。

「さんぷるん」というシリーズの中級編だソーダ

埼玉県民の10人に1人は「あればギリ作るかもしれない」と答える人気アイテム、食品サンプル。
「名は知っているが手に取ったことはない指数」でいうと、「十万石まんじゅう」と並ぶシロモノでございます。

「中級」と書いてあるだけあって、少し厄介な部分もありましたが、その製作手順についてご紹介しようかしらと。

 

月には滴、熱湯にはジュース

STEP.1
まずは、「ジュースパック」と呼ばれる固いゼリーを袋ごと熱湯に沈め、ただただ溶けるのを待ちます。
この時間がなかなかに長く、待っている間にマリオ3(ファミコン)をプレイしたらWORLD3まで進みました(自分以外が全部巨大な面ね)。

くせになるつつき心地

 

灼熱の確認作業

STEP.2
ゴム手袋を装着し、ジュースパックが完全に溶けたことを確認します。
感触としては粘り気を感じない、とてもサラサラとした液体です。

くせにはならぬ揉み心地

 

ひとおもいに注ぐ

STEP.3
素手で持てるくらいに冷めてきたら袋の先っちょをハサミで少しだけ切り、コップにジュースを注ぎます。

そそぎます

 

まだ、そそぎます

 

そそぎました

ある程度注いだら、余ったジュースをクリップ(洗濯ばさみ)で止めて、脇に放置します。
ちなみに今回はピアノ柄の可愛いクリップを使用しました。
更に言うと、写真の左側に写っているのは電子ピアノです。
私が大好きな『あの夏へ』というジブリの名曲を練習中なので、弾けるようになったら是非聴いてください。

 

発泡の儀

STEP.4
注ぎ作業が終わったら、ここで少し固まるまで待ちます。

今回作るのは「メロンフロート」なので、なによりも炭酸感を表現することが大事です。
ここで固まるのを待たずに掻き回してしまうと、泡がすぐに上部に浮いてきてしまい、コップの少し深い部分に泡が留まってくれないので要注意です。

ある程度固まってきたら、スプーンをコップのふちにそわせながら上下させ、空気をジュースの中に取り込みます。

もちあげて

 

ポフッと鳴くまで突き刺し

 

持ち上げる、の繰り返し

自然な泡が出来るまで何度でも挑戦出来ますが、あまり混ぜすぎてしまうと綺麗な緑の液体が白く濁ってしまうため、過度に触るのは厳禁です。
なんでもそうですが、あまり慎重になり過ぎるとかえって良くない結果を生みます。
運動会の準備で石灰のラインを引く際にゆっくりゆっくり進みながらやる子よりも、猛ダッシュでラインを引く子の方が真っすぐで綺麗な直線を描けるのと同じです。

氷とチェリーとアイスとスプーン

STEP.5
良い感じに泡の演出ができたら、今度は付属品の氷(プラスチック)をコップに入れていきます。
小さい氷と大きい氷があるので、無駄に配置にもこだわりたくなるところです。

氷を入れたら、次はこれまた付属品のバニラアイスとチェリーを飾ります。
なんだか夢の様です。

氷、バニラアイス、チェリーの位置が定まったら、最後にスプーンをさします。
ちなみにこのスプーンとコップは別売りで、どちらも元祖食品サンプル屋で購入しました。
お値段も大分安いですし、「餅は餅屋」とも言うので、ついでに買われることをお勧めします。

スッ

 

休憩メルヘン

STEP.6
綺麗にできた泡のうえに横たわる赤白のファンタジーにうっとりしながら、貴重な余生の一部を割きます。
「理想の泡が作れたときの感動は第一子の出産時に値する」と、嘘つきなインディアンが夢のなかでそう言っていた気がします。

はぁ綺麗

 

追い白濁

STEP.7
トキメキがそこそこおさまったら、STEP3のときに余ったジュースパックの出番です。
パックの中に空気をふんだんに入れ、執拗に振ったり揉んだりして、パック内のジュースを白く濁らせていきます。
この薄黄緑に濁った液体を仕上げに注ぐと、よりリアルなメロンフロートに近付くのです。

氷を隠さないよう慎重に

 

メロンフロート in my room!!

製作時間40分ほどで完成!
この時点でも大分綺麗ですが、翌日になると全てのパーツが完全に固まって、より輝きを増します。

写真ではいまいちキラメキが伝わりませんが、実物はそのままお店に飾りたくなる様な仕上がりですので、近々ソラマチ・浅草・赤レンガのいずれかに御用のある方は、是非「元祖食品サンプル屋」でお好みのものを購入してみてくださいまし。

いやはや、久々に爽快なブログを書いたわ。
私を労うメルヘンエンジェルが明日の朝までに愛車のナンバープレートを真っすぐに修復してくれていることだろうよ。
願い願われみなさまも良い夜を。おやすみなさい。