コトの真相「全国流通と委託販売って何が違うの？」編

なんですかそのキュルキュルした瞳は。それに小声で言われてもこれ活字で載るんですから無意味ですよね。その手にはのりませんよ。

仮に確執の話をしてRTが伸びたとしたら、代わりに縮むものがありますよ。

私の寿命です。

そんなに物騒なものじゃないですけどね。まぁどの業界にも「自分が絶対正しい」と信じて他の意見を受け入れようとしない人っているじゃないですか。基本どこの大人もお互いの正義を守るために子供みたいな喧嘩をして、後に引けなくなっちゃったりするもんですよ。

駄目です。

今日はCDの流通販売・委託販売の違いについてでしたね。内容的には読者さんというより、「新しくバンドを始めようかな」とお考えのバンドマン向けといった方が正しい気もしますが、そういう見えない部分の話ってファンの方も好きだと思うので、テーマ的にも良いと思いますよ。

（圧倒的無関心…）。まずは、「委託販売」について説明しますね。昨日も少しお話しましたが、委託というのは「バンドが販売してほしいお店に直接CDを納品する」という超シンプルな仕組みです。バンドとショップの間に誰も介在しない「直接取引」というイメージを持っていただくと分かりやすいかもしれませんね。

いえ、利益を最優先に考えるならバンドのオフィシャルサイトやライヴの物販などで手売りするのが一番ですね。どちらも多少の手数料はかかりますが、売上がほぼ全額手元に入るので。

そんな横暴な言い方はしてませんけどね。文字起こしもうさぎさんがされていると伺ったので再度念押ししますが、くれぐれも内容は脚色しないでくださいね。

うさぎさんにご認識いただいている通り、お店に販売を依頼する場合は、おおむね売上の30％を手数料として支払う形になります。バンドには商品価格の70％が入るということですね。

単純に手元に残る利益が流通販売よりも多いことと、あとはバンドの手売りでは実現しない「実店舗でのインストアイベント」が開催できる点ですかね。

もちろんです。なかには「動員がついていない段階でガラガラのインストをやるのはなぁ…」という理由から開催しないバンドさんもいますが、お店としては希望を叶えてあげたいので、「イベントやってみませんか？」と声は掛けますね。

前身のバンドが人気だった場合は例外ですけど、ピカピカの新バンドとなると最初のイベントは一桁前半の動員になることもザラですよ。

…0人です。

7年働いていて一バンドだけではあったんですけど、あれは今思い出しても胸が痛みますね。

いえ、そこそこ歴もあってヴィジュアル系のインディーズバンドに詳しい方であれば「名前は知ってる」レベルの方たちではありました。ただ、あの件に関しては各所でイベントをやりすぎていたことが要因だったと思うんですよね。都内でいくつもイベントをやるとどうしてもお客さんが割れてしまいますから。

それはもう…しかも、その日は季節のイベントにちなんだコスプレ衣装でトークをするという内容で、入りのときからメンバーさんは本気コスチュームだったんですよ。それが余計に虚しさを増幅させて、もうどうしていいのか分からず…

ゼロ…

どうするもなにも、とにかく開演時間まではスタッフ全員で神に祈りを捧げますよね。

そこで思い知るんですよ。神を降臨させられるのはこのシーンに戮さんしか存在しないということを。

このサイトの来訪者に若い子なんていないので大丈夫だと思います。

この日に限らず、ガラガラのイベントになった場合はメンバーさんから謝られるんですよ。もちろんイベントの動員は人気に左右されるものですけど、PRが上手く出来なかったお店側の責任も大きいので、そうやって頭を下げられると申し訳なさで心臓が破裂しそうになります。しかも、お店としては「今日は誰々さんのイベントをやりました！」というブログを書かなければならないので、それ用に写真を撮らせていただくんですけど、胸の内では絶対に落ち込んでいるであろうメンバーさんがそのときばかりは一生懸命表情を作ってくださるので、私はちょっとそれに耐えられなかったですね。そして、お見送りをした後に思うんですよ。「もうイベントやりたくないって思われたかなぁ…」って。本当に辛いです。

って、話が反れちゃいましたね。まぁ委託販売のメリットは「利益が多めであること」と「インストアイベントができること」、あとは必然的にお店とのやりとりが増えるので関係性が築けることですかね。

諸々の管理が面倒なことだと思います。お店へのリリース告知・納品・販売状況の確認・納品書＆請求書の発行・インストアイベントの日程と内容の調整といったことを販売店舗ごとに行わなければならないので、一店舗で売るだけならそこまで手間ではないですけど、チェーンの専門店すべてに納品するとなると事務作業が大分面倒かなと。

数字や書類の管理をしたことのない方からすると割と地獄ですよ。活動と並行してそれをやっていく内に「あれ？今月請求したっけ？あれれ？この売上は物販販売分だっけ？」なんて具合に頭がこんがらがっちゃう方もいるので、そういった点は委託販売の大きなデメリットだと思います。

委託のメリット…そうですね。「在庫を買い取らなくても良い」という点ですかね。

当たり前の話ですけど、あまり人気のないバンドさんから「あなたのお店に100枚納品しますね！」と言われた場合に「分かりました！じゃあ、納品してもらったときに100枚分の商品代金をお支払いしますね！」なんて約束をしちゃうと、お店は大損害を被りますよね？もしそのCDが1枚しか売れなかったとしたら、99枚分の赤字です。更にそれを在庫として持ち続けなければならないと。小売において「在庫」というのは借金そのものですから、いくらバンドを応援したいと思っていてもそうはいかないわけです。

そうですよね。その点において委託販売のメリットが発揮されるんですよ。というのも、委託というのはあくまでも商品を預かるだけで、納品されたときにCDを買い取らないんです。そして、毎月売れた分から手数料を差し引いて売上をお支払いすると。お店としてはただ預かっているだけの状態なので、バンドから「物販販売分が少なくなってきたからCD返してちょ」と言われればお返しすることも可能です。そういう意味でいうと、「臨機応変に在庫を動かせる」というメリットもありますね。

ですね。大体はインストアイベントが終わったタイミングで「在庫分どうしますか？」というお話をさせていただくことが多いです。

ありますあります。私がそれを体感したバンドさんで言うとDIAURAがまさにそうでした。委託販売していたCDがあるときから急激に売れ始めて、後にプレミアになってましたから。

おぉよくご存じですね。まさにまさに。

確かに…わたしも初めてお店でyo-kaさんとお会いしたときは、その肌の白さと端整な顔立ちに「女の子か？」と思いましたからね。

それは違うと思いますけどね。あと、彼らが以前所属していたAinsという事務所のロゴが「Arinco」に見えて「可愛らしい事務所だなぁ」と思った記憶がありますね。

・・・

え…そうなんですか…

はい…それでは、流通販売に関してはまた後日お話しますね。

（もう終わりにしたいなぁこの企画…）

明日は『鬼滅の刃』の映画を観に行く予定なので空いてないですね。

付き添いなんですよ。話の内容全然知らないのに楽しめるかなぁ…

君の辞書には「マナー」の三文字もないのか…